私は2006年4月に盛和塾北大阪に入塾しました。 当時は家業のアパレルメーカーの三代目社長になって三年目、ちょうどユニクロやセレクトショップが台頭し、ファッション業界にも流通の激変が起きていました。古くから続けてきた家業が、世の中の変化についていけず、経営不振にあえいでいた頃でした。39歳の私は経営の何たるかを知らず、哲学も信念もなく、小さな会社の従業員すらまとめられず、悶々と独り悩み、苦闘する日々を過ごしていました。危機感を訴えても社員は知らん顔、何か打開策を打たねばじり貧になる、と独りで焦り、新しいことに手を出しては失敗し、ますます深みにはまっていくことを繰り返していました。 そんな状況にいたためか、盛和塾に入塾した私には稲盛塾長は地獄で出会った仏様に見えました。自分に何が足りなかったのか、何をよりどころに経営をしていけばよいのか、初めて教えられることばかりでした。 入塾一年目の盛和塾の学びは、月一度の自主例会に出席して学ぶこと、稲盛塾長の著書を読むことから始めました。自主例会に参加するたびに、いったいこれまで自分は何をやっていたのか、と自己嫌悪に陥りました。先輩塾生の立派な経営体験発表をお聞きすると、劣等感と罪悪感に打ちひしがれ、例会の後は一人で逃げるように帰りました。とにかくその頃の私は、他人様の会社をとやかく言えるようなレベルではなく、「経営について一緒に学びましょう」と言われても、テーマになるような諸問題や他塾生の悩みは、どれも自分にとっても問題であり、悩みの種ではあるのだけれども、優先順位からするともっと切迫した問題を抱えてのたうち回っている自分には、違う世界の出来事のように思え、世間の経営者のレベルと、自分とのギャップに落ち込み、暗くなるばかりでした。 そうこうするうちに、いよいよ会社も窮地に陥り、2007年には例会すら参加できなくなりますが、盛和塾での学びをよりどころにできたおかげで、ぎりぎりのところで心が折れることなく踏みとどまり、ただ生きていることに感謝する日々が続きました。 全国各地で行われる塾長例会に参加するようになったのは2008年からです。盛和塾北大阪の例会で、「塾長のいらっしゃる例会こそが本当の盛和塾の学びの場であり、塾生ならば塾長例会に参加すべき」と教えられました。幸い当社は全国に得意先が散らばっていたため、本末転倒ではありますが、塾長例会が開催される地域の得意先をついでに訪問する出張計画を立てて、精力的にできる限り塾長例会に参加しました。 2009年からは盛和塾北大阪の中村代表世話人をはじめとする世話人の方々が主宰されて、フィロソフィ輪読会が始まりました。せっかく入塾したのだから、京セラフィロソフィを学ぼうと思い、輪読会に参加して勉強することにしました。こうして入塾から2009年ごろまでの3年間は、自分自身が稲盛塾長の教えを学ぶ期間となりました。 フィロソフィ輪読会では、会社でもフィロソフィ勉強会をするようにと強く勧められました。学びを従業員と共有し、実践してこそ意味があるというお言葉に素直に従い、朝礼で稲盛塾長の著書「心を高める、経営を伸ばす」を毎朝1頁ずつ輪読し、さらに年4回、本社、東京支店、和歌山の工場の3か所の事業所に分かれて、京セラフィロソフィを教材に使って社員研修をするようにしました。突然の研修開始に反発も予想されましたが、「自分も至らないところだらけの社長だけれど、皆さんと一緒に学ぼうと思うのでお願いします。」と従業員に話をして始めました。 さらに2011年からは全国の百貨店に勤務する、当社の派遣販売員も東京と大阪に集めて研修するようになりました。交通費や宿泊費、交代要員の人件費など毎回多額の費用が掛かりますが、塾長がおっしゃる、「フィロソフィがすべて」という言葉を信じて、費用を惜しまず研修を続けています。その甲斐あってか、最近は徐々に自分の理想とする会社の姿に近づきつつあるように思います。業績はまだまだですが、会社の雰囲気が以前とは全く違ってきています。 盛和塾に入っていなかったらどうなっていただろう、と思う時があります。間違いなく自分は今ここにこうして存在せず、会社もとうに無くなっていただろうと思います。私にとって稲盛塾長は命の恩人であり、ソウルメイトの盛和塾北大阪の塾生の方々には心から感謝しています。 いい大人になってから自分の考え方を変え、生き方を変えるのは容易ではありません。全従業員とフィロソフィを共有し、血肉化し、さらに実践するには覚悟と決意と忍耐が必要です。しかしあきらめずに愚直に学び、実践し、必ず立派な業績の会社にしてご恩に報いようと心に決めています。 これからもより一層精進してまいります。今後ともどうぞよろしくお願いします。
京セラフィロソフィ輪読会|2025-05-14 稲盛経営哲学を学ぶIDL輪読会|2025-05-21 論語講座|2025-05-24 京セラフィロソフィ輪読会|2025-06-11 稲盛経営哲学を学ぶIDL輪読会|2025-06-18
父なる稲盛塾長、母なる欠野先生から教授された経営者精神 人生を変えてくださった稲盛塾長と欠野前代表世話人との出会いに感謝 盛和塾で学んだ利他のこころ 盛和塾での学びに救われたいのち 盛和塾で学びと出会いに感謝し、より良い明日へ。
連絡先 TEL: 06-6353-5946 (受付時間:平日9:00〜17:00) FAX: 06-6352-7535 お問合せはこちら アクセスマップ 〒534-0025 大阪市都島区片町2-7-22たいようビル(旧称マスコンビル)
私は2006年4月に盛和塾北大阪に入塾しました。
当時は家業のアパレルメーカーの三代目社長になって三年目、ちょうどユニクロやセレクトショップが台頭し、ファッション業界にも流通の激変が起きていました。古くから続けてきた家業が、世の中の変化についていけず、経営不振にあえいでいた頃でした。39歳の私は経営の何たるかを知らず、哲学も信念もなく、小さな会社の従業員すらまとめられず、悶々と独り悩み、苦闘する日々を過ごしていました。危機感を訴えても社員は知らん顔、何か打開策を打たねばじり貧になる、と独りで焦り、新しいことに手を出しては失敗し、ますます深みにはまっていくことを繰り返していました。
そんな状況にいたためか、盛和塾に入塾した私には稲盛塾長は地獄で出会った仏様に見えました。自分に何が足りなかったのか、何をよりどころに経営をしていけばよいのか、初めて教えられることばかりでした。
入塾一年目の盛和塾の学びは、月一度の自主例会に出席して学ぶこと、稲盛塾長の著書を読むことから始めました。自主例会に参加するたびに、いったいこれまで自分は何をやっていたのか、と自己嫌悪に陥りました。先輩塾生の立派な経営体験発表をお聞きすると、劣等感と罪悪感に打ちひしがれ、例会の後は一人で逃げるように帰りました。とにかくその頃の私は、他人様の会社をとやかく言えるようなレベルではなく、「経営について一緒に学びましょう」と言われても、テーマになるような諸問題や他塾生の悩みは、どれも自分にとっても問題であり、悩みの種ではあるのだけれども、優先順位からするともっと切迫した問題を抱えてのたうち回っている自分には、違う世界の出来事のように思え、世間の経営者のレベルと、自分とのギャップに落ち込み、暗くなるばかりでした。
そうこうするうちに、いよいよ会社も窮地に陥り、2007年には例会すら参加できなくなりますが、盛和塾での学びをよりどころにできたおかげで、ぎりぎりのところで心が折れることなく踏みとどまり、ただ生きていることに感謝する日々が続きました。
全国各地で行われる塾長例会に参加するようになったのは2008年からです。盛和塾北大阪の例会で、「塾長のいらっしゃる例会こそが本当の盛和塾の学びの場であり、塾生ならば塾長例会に参加すべき」と教えられました。幸い当社は全国に得意先が散らばっていたため、本末転倒ではありますが、塾長例会が開催される地域の得意先をついでに訪問する出張計画を立てて、精力的にできる限り塾長例会に参加しました。
2009年からは盛和塾北大阪の中村代表世話人をはじめとする世話人の方々が主宰されて、フィロソフィ輪読会が始まりました。せっかく入塾したのだから、京セラフィロソフィを学ぼうと思い、輪読会に参加して勉強することにしました。こうして入塾から2009年ごろまでの3年間は、自分自身が稲盛塾長の教えを学ぶ期間となりました。
フィロソフィ輪読会では、会社でもフィロソフィ勉強会をするようにと強く勧められました。学びを従業員と共有し、実践してこそ意味があるというお言葉に素直に従い、朝礼で稲盛塾長の著書「心を高める、経営を伸ばす」を毎朝1頁ずつ輪読し、さらに年4回、本社、東京支店、和歌山の工場の3か所の事業所に分かれて、京セラフィロソフィを教材に使って社員研修をするようにしました。突然の研修開始に反発も予想されましたが、「自分も至らないところだらけの社長だけれど、皆さんと一緒に学ぼうと思うのでお願いします。」と従業員に話をして始めました。
さらに2011年からは全国の百貨店に勤務する、当社の派遣販売員も東京と大阪に集めて研修するようになりました。交通費や宿泊費、交代要員の人件費など毎回多額の費用が掛かりますが、塾長がおっしゃる、「フィロソフィがすべて」という言葉を信じて、費用を惜しまず研修を続けています。その甲斐あってか、最近は徐々に自分の理想とする会社の姿に近づきつつあるように思います。業績はまだまだですが、会社の雰囲気が以前とは全く違ってきています。
盛和塾に入っていなかったらどうなっていただろう、と思う時があります。間違いなく自分は今ここにこうして存在せず、会社もとうに無くなっていただろうと思います。私にとって稲盛塾長は命の恩人であり、ソウルメイトの盛和塾北大阪の塾生の方々には心から感謝しています。
いい大人になってから自分の考え方を変え、生き方を変えるのは容易ではありません。全従業員とフィロソフィを共有し、血肉化し、さらに実践するには覚悟と決意と忍耐が必要です。しかしあきらめずに愚直に学び、実践し、必ず立派な業績の会社にしてご恩に報いようと心に決めています。
これからもより一層精進してまいります。今後ともどうぞよろしくお願いします。